1995年からおおよそ1年くらい住んでいた英国では、それまでの人生がひっくり返るような出来事を数多く体験した。そしてその頃、初めてhomeopathyという言葉を知った。ホメオパシーとは健康な人に投与するとある症状を引き起こす薬を、その症状が出ている患者に極少量投与して治療する、という治療法。たとえば、健康な人が飲むと熱を出す薬を、熱が出ている患者に極少量投与すると治癒する(熱が引く)、という現象を利用した治療法だ。 その小さな本をどうやって手に入れたのか完全に忘れているものの、そこに書かれていたhomeopathyというものに大いなる興味を覚えたのは、いまでもありありと憶えている。これに相当する日本語として、今では”同種療法”という言葉がよく用いられているようだが、当時は【同毒療法】と書いてあった。毒を以て毒を制す。たとえば超高度に希釈された『砒素』も、アーセニカムというレメディとしてマテリアメディカに記載がある。『砒素』聞きかじりだが古代中国の女性は美容のために服用していたらしい。また、気に入らなくなった旦那の食事に混ぜるというのも古典的だ(怖)。『毒』は悪魔のように人々を魅了する。『薬』が毒だと言われるのも『神』と悪魔が紙一重といわれるのと大方同義なのかもしれない。

さて、そのようなきっかけのあったホメオパシー。由井寅子さんの著書にはまるで、ひとつひとつのレメディがそれぞれの人格を持っているように表現されている。由井さん自身の筆による辛辣なイラストとも相俟って独特な個性があり、万人受けはしないだろうがわたしには非常に的を得ているように感じられ、長い間愛読していた。そこに書いてあったのか、それとも自分なりのやり方だったのか記憶が定かではないが、ある時からわたしは、一番良く自分を表していると思われるレメディが、特殊な場合を除き、自分のどんな症状にも効果があることを見つけた。【症状≒性質】なのだ。それで、最初は自己流にかたっぱしから試していた様々なレメディ、結局のところ使い切ってしまうことなくまだ保管してある。

さて、今日はそんな自己流では間に合わない特殊な場合すなわち花粉症と呼ばれるアレルギーと免疫の関係について、ご紹介したいと思う。

ホメオパシーで、いわゆる花粉症に対して、どういう事ができるのか

花粉症は、花粉に対するいわゆるアレルギーという事になっています。アレルギーというものは一体どういうものなのか、と言うと免疫に関係する事ですが、その免疫というものはそもそも何かと言うと、「非自己」(いわゆる自分でないもの)に対して「自己」が攻撃するメカニズムと言えます。「自分でないものは入ってくるな!」と、いって攻撃する、排除的に攻撃しようとする、そのような働きのことを一般的に免疫と呼んでいます。
その時に、いわゆる抗原抗体反応というものが起こります。非自己というものが抗原で、それに対して抗体というものが作られます。その抗原は、花粉や、ハウスダストその他のありとあらゆるものが成り得ますが、いわゆる自分でないもの・・・確かに花粉は自分でないし、ハウスダストにしても自分自身ではないものです。それに対して抗体が作られる。これは、イミュノグロブリンと呼ばれ、色々なタイプがありますが、主にここで問題になるのは、IgEと呼ばれる種類のイミュノグロブリンです。このIgEは、外部から進入してきた花粉のようなものに対応する免疫抗体で、これが産出されて抗原抗体反応を起こしますと、ヒスタミンなどの顆粒状の物を放出する、いわゆる脱顆粒という現象が起こって、そしてクシャミとか、花粉症的な症状が起こる。簡単に説明しますと、このようなしくみになっています。ですから、もともと病原菌ですとか、そういった物に対しては、免疫反応は必要なシステムです。しかし、いちいち自分じゃないというふうに反応しなくてもいいような物にまで全部反応していたら逆に大変な状態になる、それをアレルギーと呼んでいるわけです。

ここで「非自己」というふうに言いますと、例えば我々が、我々は成長していく時に、いろんな食物を中心とした我々の外界から様々な物を取り入れて、そしてそれを自分の物として、自分自身と融合して、そして成長していくわけですね。いろんな食物というのはもともといわゆる自分でない外部の物。そしてそれを消化するという事は、自分の物にするという事は、自分自身と同化していく、同一化していくという事ですよね。ですから、本当は人間というものは、外と内側と。まあいわゆる非自己と自己というものがうまく関係をし合いながら、成長していくものであるわけですけれども、そこの所でまあdisorderというか、うまく行かない事が起こる。

そして、本来は免疫のシステムというものも非常に精妙にうまく作られていて、我々にとって非常に重要な物、大事な物はうまく拒否反応を起こさないように、極めてうまくできているわけなんですけれども、そこの所で様々な理由によって、この理由というのは人によって皆違いますけれども、様々な理由によって、何らかその微細なレベルで、何らかの異常と申しますか、うまく行かない何かが起こって、そしてだんだんここのいわゆる抗原抗体反応の中でも、いちいちもう花粉ですとかハウスダストですとか、そういった物に対してもいちいち「これは自分じゃない、自分じゃないから出て行け」というふうに、そういうふうな反応を始めるわけですね。自分じゃないので出て行け。そしてそれに対して抗体がどんどん産出されて、ヒスタミンとかのそういった顆粒物質を放出する。
そしてくしゃみとか、くしゃみとか鼻がむずむずしたりというのは全て、その外側に向かって出していこう、放出していこうと、そのような表現ですよね、全てね。くしゃみというのは。くしゃみによって何かを出していく。また、粘膜から様々な粘液が流れていくという事によって、そういった物を外に出していこうとする、そのような方向性の反応であるわけですけれども、それがいちいち過敏に、そういう花粉ですとか、ハウスダスト、また例えばいろんな食物アレルギーでもありますよね。そのように外から我々の本来の健全な状態というのは、外界からいろんな物を受け入れて、自己の成長の糧にしていって、自分自身と同一化していって初めて成長をする。本当の成長というものは、いわゆる外側と内側というものが同一化して融合していく事、これ無しに成長というものはあり得ないわけですが、そこの所でそれをどのように受け入れるかという事、そこのdisorderと申しますか、そこの問題というものが起こっているという事は、本当は非常に深い所にその原因というものがあるわけなんです。

それに対して現代医学的なアプローチなのですが、その「深いレベル」というものは、もういわゆる目には見えないような、エネルギー的な世界なものですから、現代医学はそんな目に見えない、まあ言ってみれば、訳の分からない、不確かな、そのようなレベルに対して、何かアプローチをするわけでもできるわけでもありません。もっとはっきりとしたレベル、例えばこのようなアレルギー反応の抗原抗体反応とか、こういうふうなレベルには現代医学はアプローチができる。そういういわゆる作用機序に則ったもの、花粉症というものはこうこうこうなるから、だからここで抗原抗体反応がこのように起こらないようにしようとか、例えばそのように何かをブロックするとか、何かを促進するとか、そのような事しかなかなか、現代医学的なアプローチというのは難しいわけなんですね。他にはあんまりできない。このように、いわゆる現象として捕まえられる世界でしかなかなかアプローチができないわけなんですね。ですから、現代医学的にできる事というのは限られていて、そしてそれはいわゆる結果的な現象レベルでしかありません。本当はなぜその現象が起こっているのか、その異常が起こっているのかという根本的な所を解決する事が本当は一番重要な、それこそが本当は問題の本質的な解決という事になるわけですけれども、残念ながらそこのレベルに分け入る事はできないので、その起きてしまっている現象をいわゆるコントロールしようとする、まあそういうふうな事しかなかなかできないわけですね。

ですから、そこのコントロールにしか過ぎませんから、まあいわゆる緩解と申しますか、緩和と申しますか、そのようなレベルしかなかなかできないわけですね。根本的な解決がなかなかできない。その根本的なレベルというのは、残念ながらいわゆる現象的にはなかなか捕まえられないぐらい、深いレベルです。エネルギー的な人間存在の非常に深いレベルでの何らかの原因という事に、どうしてもなってしまうわけなんです。
ホメオパシーのレメディーの場合には、心身の深いエネルギー的なレベルで反応する為、その解決しようとする問題に関する色々なもつれがほぐれてくるという事になり易いわけです。それはなぜかと言うと、ハーブティーですとかそういった物は、確かにある程度エネルギーレベルに働き掛ける物ではありますが、そのエネルギーレベルにも様々な階層というものがあって、ホメオパシーのレベルは通常非常に深い階層にまで及びます。そして、様々なポーテンシーを使う事によって、表層的なレベルからより深いレベルまで、あらゆるレベルに働きかける事ができるわけです。

◆参考図書:
外部からやって来るものを、「非自己」というふうに言いましたけれども、何をもって自己と言うか、非自己と言うかというのは、なかなか実はこれは案外難しい議論があります、まあその議論は置いておきまして、ご興味がある方は「免疫の意味論」という有名な本があります。多田富雄先生という方がお書きになった、文学的にもとてもいい、素晴らしい本です。 

くわしくは下記のサイトにて。

花粉症セミナー

自分と違うもの、たとえばそれは人間関係とも喩えられる。それをどれだけ受け入れることができるか。または敢えてバリアを張るか。それは各人の判断にかかっている。

本日もお読みいただきありがとうございました。また、おつきあいくださいませ。

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